「開業当初は他の行政書士との差別化ができない」
「行政書士としての強みがわからない」
このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。「差別化しよう!」とはよく聞きますが、どうすれば見つけられるかわからないですよね。
この記事を最後まで読めば、あなたの強みを発見し、他の行政書士との差別化ができます。
全国で行政書士登録している会員は、51,267名(令和5年2月末日現在)います。
その中で、あたなは他の行政書士との差別化ができているでしょうか?
差別化できないと業務はおろか、相談もされません。
お客様が行政書士に依頼をしようと思ったら、あなたを選んでもらわないといけません。
この記事でご紹介する方法は、私が開業当初から行ってきた差別化の例をお伝えします。
私はこの差別化で行政書士として十分にやっていけるようになりました。
- 差別化とは何かがわかる
- 行政書士としての差別化の見つけ方がわかる
- 私が差別化できた事例を解説
このような内容をお伝えするのでじっくり読んでみてください。
あなたの強みを発見し他の行政書士との差別化できれば、行政書士として依頼が途切れることはなくなります。
差別化とは何か
マイケル・ポーターの差別化戦略
アメリカの経営学者で競争戦略に関する第一人者のマイケル・ポーターによると、差別化戦略とは次のような定義です。
製品やサービスに特色を持たせ、業界の中で特異なポジションを占めようとする戦略
つまり、他社と違う独自の価値を提案し、競争上の優位性を確立します。
他社との違いは、顧客にとって価値があることでなくてはいけません。
独自の価値(特色)を提案することで、高くても売れることにつながります。
差別化戦略を行政書士に置き換える
行政書士業務に置き換えると、どのようなことでしょうか。
許認可の場合、依頼を受けた業務の許認可を得ることはどの行政書士でも同じです。
許認可を得ること以外で独自の価値を提供しないといけません。
開業当初であってもできる差別化については、次章で詳しく解説します。
差別化することで価格交渉することもなくなります。
独自の価値が価格に反映されることで、報酬額が高くても依頼を受けることが出来ます。
「差別化=安い報酬額」ではない
特に開業間もない方は、「差別化=安い報酬額」としてしまう方がいます。
先の通り、差別化は独自の価値を提供することで、価格競争からの脱却ができます。
報酬額は下げるものではなく、上がっていくものです。
報酬額を下げると自身の利益も減ってしまい、その業務の価値を下げてしまいます。
業界全体が衰退してしまう行為なので、安易に報酬額を下げるのは控えましょう。
差別化の見つけ方
開業当初はベテラン行政書士との差別化をどうすればよいのでしょうか?
ベテラン相手に業務で差別化することはできません。
具体的に見つける方法を確認してみましょう。
これまでの人生を棚卸し
これまでやってきたことは、差別化する材料になります。
- 学生時代に勉強してきたこと
- 社会人として仕事してきたこと
- 資格や検定で取得したもの
例えば、私の場合、学生時代は数学が得意で開業する前はシステムエンジニアで個人情報保護士をもっていました。
『行政書士 × 数字に強い × ITに強い × 個人情報保護士』を言い換えて、
『行政書士 × 数字で分析 × ネット戦略 × セキュリティに強い』とします。
どうですか?
開業したばかりの行政書士だとしても、お願いしてみようと思ってもらえそうでないですか?
当たり前だと思っていること
お客様への価値提供は実績がなくても大丈夫です。
お客様が価値として認めるものを提供すれば良いのです。
例えば、なかなか決まった時間が確保できないお客様の場合。
- お客様の時間に合わせて急な打合せも対応可能
- 平日の夜や週末でも対応可能
とすると、他の行政書士が営業時間外のタイミングで対応できれば差別化となります。
時間外でもお客様の時間に合わせることが当たり前だと思っている方は、こんな方法もあります。
差別化の例
差別化の見つけ方がわかったので、実際の事例と比べてみましょう。
専門分野を掲げる
まずは、自分のやる業務が何であるかを示します。
「何でもやります!」は行政書士として何ができる人か判断できません。
- 土木農地のスペシャリスト
- 建設業許可のエキスパート
- 相続の専門家
幅広く業務を扱う予定だとしても、その中でも特に専門的に扱う予定の業務を押し出すようにしましょう。
そうすることで、「それができるならこれはどう?」といった関連業務の相談を受けることがあります。
私の差別化の事例
私の開業当初の差別化を事例としてみます。
- 開業当初 → 行政書士 × お客様時間を優先 × 情報提供
- 数年後 → 許認可のプロ × スピード対応 × よろず相談
- 近年 → 土地の専門家 × 宅地建物取引士 × ワンストップ
開業当初は特に取り上げる特徴もないと思い、とにかくお客様ファーストで時間をいつでも合わせられることを価値としていました。
おかげで休みはありませんでしたが、時間の不規則なお客様からは喜ばれました。
数年経つと業務の方向性も見えてきて、許認可中心になり業務をすばやく対応できるようになったことを価値としました。
「○○許可申請ってできる?」こんな依頼が増えてきたのもこの頃です。
直近では、さらに土地関係に絞って取得した宅建と土地関係をワンストップで相談できることを価値としました。
「土地の相談なんだけど、、」気軽に問合せてもらえるようになります。
差別化して開業当初からブランディングしよう!
差別化とは何かを確認し、「差別化=安い報酬額」ではないことを確認しました。
差別化の見つけ方は、
- これまでの人生を棚卸し
- 当たり前だと思っていること
をチェックすることで、見つけることができます。
差別化の事例を参考にして、オリジナルの差別化ポイントを探してみましょう。
差別化することで「選んでもらえる行政書士」になることができます。
ホームページや名刺で差別化ポイントをアピールしていきましょう。
合わせて以下の記事を読むと、より差別化につながります。