個人情報保護士という資格についてどのようなイメージを持っていますか?
今や個人情報の保護については、ビジネスマンの基礎知識といっても過言ではありません。どんな業界でも個人情報の取り扱いがあります。たとえば、以下の中から個人情報に当たるものはいくつあるでしょうか。
- 氏名
- 生年月日
- 防犯カメラで個人が判別できる映像
- 個人を識別できる音声情報
- 個人を特定できるメールアドレス
答えは、すべて個人情報に該当します。
もし、わからなかった場合は個人情報の保護について、不安があるのではないでしょうか。
- 個人情報保護士がいらないと言われる理由
- 個人情報保護士が役立つ場面
- 個人情報保護士が本当にいらない人と本当は必要な人
「費用が高い」「民間資格で信頼性が低い」「実務での活用方法がわからない」といった理由から、個人情報保護士が必要ないと思っている方がいます。資格が必要ないことと、知識が必要ないことはイコールではありません。この記事では、個人情報保護士の資格がいらないと言われる理由を検証し、その価値について深掘りしていきます。
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個人情報保護士の資格がいらないと言われる3つの理由
個人情報保護士は、資格を取って独立開業する資格ではなく、資格をとってからのイメージがわかないために「いらない」と判断されることがあるようです。ここでは、「いらない」と言われる理由を確認してみましょう。
資格取得の費用が高い
個人情報保護士の資格は、取得の際にある程度の費用がかかります。試験料(11,000円)や対策講習会(16,500円)費用が高額であり、特に自己負担で資格を取得しようとする個人にとっては負担が大きいです。さらに定期的な更新が必要で、その都度追加の費用が発生します。資格の活用度や実際の職務への影響と比較すると、費用対効果が低いと感じる人が多いのも事実です。
国家資格ではない
個人情報保護士は民間資格であり、国家資格ではありません。この点が、資格の価値や信頼性に対する疑問を生じさせる要因の一つです。国家資格は政府や公的機関によって認定されており、その信頼性や社会的評価が高いです。一方、民間資格は企業や団体が独自に認定するため、その認知度や評価が一貫していないことがあります。これにより、個人情報保護士の資格が実務においてどれほど有用かを疑問視する声が出ています。
活かし方がわからない
個人情報保護士の資格を取得しても、実際にどのように活かせるのかが明確でないという声が多く聞かれます。特に、具体的な業務での適用範囲や企業内での役割が不明瞭であることが一因です。資格を持っていても、実際の仕事でその知識を活用する場面が限られているため、資格の有用性や価値に疑問を持つ人が少なくありません。このため、資格を取得しても実際には役に立たないと感じる人が多いのです。
個人情報保護士の価値が発揮される場面
個人情報保護士は本当にいらない資格なのでしょうか。ここでは、私の経験もふまえて個人情報保護士の資格が役に立った場面を紹介します。
信頼感が増す
個人情報保護士の資格を持つことで、個人情報の取り扱いに関する知識とスキルを証明できます。これにより企業や顧客からの信頼感が増し、業務における信頼性が高まります。特に、個人情報が記載された書面を扱う場面での信頼性は重要であり、資格を持つことで安心感を与えられます。この信頼感の向上は、ビジネス関係の強化や新規取引の促進にもつながります。
名刺交換での話題に困らない
個人情報保護士の資格を持っていると、名刺交換の際に話題に困ることが少なくなります。初対面での話題に困った時に、名刺に書いてあることをきっかけにしたことはありませんか?資格の取得理由や内容など自然に話を広げられ、初対面の相手ともスムーズにコミュニケーションを取るきっかけとなります。個人情報保護士はビジネスシーンにおいて、良い第一印象を与えるためも有効です。
他資格へのステップアップにつながる
個人情報保護士の資格は、他の資格へのステップアップに有効です。たとえば、マイナンバー実務検定や情報セキュリティマネジメントなどの関連資格に挑戦する際、基礎的な知識を持っていることで学習がスムーズに進みます。また、個人情報保護の専門知識は、ファイナンシャル・プランナーや行政書士といった幅広い分野でも活用でき、キャリアアップの一助となります。これにより、より高度な専門職への道が開かれます。
私の経験はこちらの記事「個人情報保護士を行政書士の業務に役立てる私の使い方」を参考にしてください。
個人情報保護士がいらない人・おすすめする人
個人情報保護士の資格は誰にでもおすすめできるわけではありません。ここでは、個人情報保護士がいらない人・取得をおすすめする人を解説します。
個人情報保護士がいらない人
個人情報保護士の資格取得を必要としない人には、以下のようなケースがあります。
- 実務経験が豊富な人:既に個人情報管理に関する豊富な実務経験がある場合、資格を取得する必要はありません。
- 自己学習が可能な人:自分で最新の個人情報保護に関する知識を学習し、実務に適用できる人。
- 他の専門資格を持っている人:情報セキュリティや法律関連の国家資格を持っている場合、それらの資格で十分なスキルが証明されることが多いです。
これらの人々は、資格を取得せずとも必要な知識やスキルを持っているため、個人情報保護士の資格を取得する必要がないと言えるでしょう。
個人情報保護士の取得をおすすめする人
個人情報保護士の資格取得をおすすめする人には、以下のようなケースがあります。
- 企業で個人情報を扱う担当者:個人情報保護の専門知識を身につけることで、業務の効率化と信頼性の向上が期待できます。
- 就職活動中の学生:個人情報保護の知識を持つことで、他の応募者との差別化が図れます。
- ITや法律の専門職を目指す人:この資格を基礎として、更に上級の資格取得やキャリアアップを目指せます。
これらの人々は、資格を取得することで職務において大きなメリットを享受できるでしょう。
個人情報保護士に関連するおすすめ資格
上級個人情報保護士
上級個人情報保護士は、個人情報保護士の資格を持つ人がさらに専門的な知識とスキルを習得するための資格です。この資格は、個人情報保護に関する高度な知識を必要とする業務に従事する人にとって非常に有益です。上級個人情報保護士を取得することで、企業内での信頼性が向上し、より複雑な個人情報管理のプロジェクトを任される可能性が高まります。キャリアアップを目指す方には特におすすめです。
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マイナンバー実務検定
マイナンバー実務検定は、個人情報保護士の資格を補完するものとして非常に有用です。この資格は、マイナンバー制度に関する具体的な知識と実務スキルを証明します。企業でのマイナンバー管理業務に直結するため、法令遵守やデータセキュリティの観点から高い評価を受けています。個人情報保護に加えて、マイナンバー制度に関する専門知識を深めたい方には特におすすめです。
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情報セキュリティマネジメント
情報セキュリティマネジメントは、国家試験「情報処理技術者試験」の新たな試験区分として平成28年度春期から創設されました。
この資格は、情報セキュリティ全般に関する知識を深められ、特に企業内でのセキュリティ対策やリスク管理に役立ちます。情報漏洩やサイバー攻撃からデータを守るための実践的なスキルを習得できるため、IT業界や管理職を目指す人には特におすすめです。個人情報保護とセキュリティの両面から強力な専門性を築けます。
まとめ
個人情報保護士がいらないと言われる主な理由には、以下の3点が挙げられます。
- 資格取得の費用が高く、自己負担が大きい
- 民間資格であるため、信頼性や社会的評価が低いと感じられることがある
- 実務での具体的な活用方法が明確でない
しかし個人情報保護士の資格は、信頼性の向上や他資格へのステップアップなど、多くの場面で価値を発揮します。今や個人情報の保護については誰もが知っておくべき知識であり、キャリアアップや業務効率化を目指す方には必要な資格です。自身の知識の証明にもなるので、興味があれば試験を検討してみてはいかがでしょうか。
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