- これから開業するけど業務の流れがわからない
- 業務をする上での注意点を事前に知りたい
これから独立開業する方は、業務の流れがイメージできない方もいます。
事前に業務の流れや気をつけることがわかったら、実際の依頼をスムーズに受けることができます。
依頼をする方は、あなたが何年目の行政書士がわかりません。
業務の流れややり取りがたどたどしければ、依頼者は不安になってしまいます。
この記事では、行政書士業務の仕事の流れを順番に解説し注意点を確認します。
最後にこれから開業する方に向けて、業務を覚える方法をご紹介します。
行政書士の業務

行政書士法第1条の2と第1条の3において、行政書士の業務規定があります。
許認可だけでも1万種類を超える行政書士業務は、書類作成だけでなく顧客に合わせた提案やコンサルティングが必須です。
まずは、行政書士ができる業務を確認してみましょう。
官公署に提出する書類
行政書士は、官公署(各省庁、都道府県庁、市・区役所、町・村役場、警察署等)に提出する書類の作成、相談や提出する手続について代理することを業としています。
例えば、建設業許可、運送業許可、飲食店営業許可など様々なものがあります。
開業する方は、何かしらの許認可業務をメインとしたい方が多いです。
開業後は、何かしらの許認可業務を必ずすることになります。
官公署に提出する書類は、締切や期限があるのでスケジュールを調整しながら進める必要があります。
権利義務に関する書類、事実証明に関する書類
「権利義務に関する書類」の主なものとしては、遺産分割協議書、各種契約書、定款等があります。
「事実証明に関する書類」の主なものとしては、各種図面、議事録等があります。
お客様からのヒアリングなどが特に重要となる書類が多くあります。
行政書士業務の流れ

行政書士ができる業務はとてもたくさんあることがわかりました。
業務の数が多くても、業務の流れはそれほど変わりがありません。
ここでは、行政書士の業務の流れを確認してみましょう。
問合せ
お客様とのファーストコンタクトとなります。
- 電話
- メール(Webフォーム)
- 知り合いからの紹介
問合せの方法としては主にこの3つがあります。
仕事の取り方によっては、違う方がいるかもしれません。
電話や対面での紹介ではわからないことを聞かれることがありますが、「確認してから折り返します」と伝えて誠実に対応しましょう。
話し下手でも、ホームページや名刺でしっかりと情報があれば問題ありません。
問合せでのポイントは、「誠実に対応する」ことです。
対面での相談につながるように、次回の日程を決めてしまいましょう。
相談
問合せから相談につながれば、第一段階クリアです。
相談は、お客様がわからないことをクリアにするためにします。
- 全体のスケジュール
- 費用負担がどのくらいか
- お願いできることとできないことは何か
例えば許認可の場合、許可までどのくらいの日数がかかるか、契約書作成であればいつまでに書類ができるのかはお客様の知りたいことです。
完了するまでの費用、いつまでに支払いをするのかもしっかりと伝えます。
相談内容によっては見積りはすぐに作成できないこともあります。
行政書士としてできること、できないことを伝えることも忘れてはいけません。
私の場合は、打合せ前に「相談前に注意事項」として行政書士の説明や個人情報取扱いを簡単に説明しています。
簡単で良いので打合せ議事録を作成すると、次回以降のやり取りがスムーズです。
見積り
見積書の作成は、業務を受注できるかどうかの大きな分かれ目です。
見積書はなるべく早く作成してお客様に渡しましょう。
こちらの記事では見積書の作成が簡単にできる書式をご案内しています。
行政書士法には報酬額の掲示等の規定があることを知っていますか?
(報酬の額の掲示等)
行政書士法
第十条の二 行政書士は、その事務所の見やすい場所に、その業務に関し受ける報酬の額を掲示しなければならない。
開業するまでに報酬額を計算しておきましょう。
連合会のページには、令和2年の報酬額の統計がありますので参考にしてください。
書類作成
見積りに了解をもらったら、業務に取り掛かります。
長期間の業務であったり業務内容が多い場合は、「業務請負契約書」を交わすと良いでしょう。
私の場合は、見積書にサインを貰うこともあります。
書類作成は、許認可の場合は提出する行政庁のホームページを確認します。
記載例まで公開しているところもあります。
提出期限や申請内容、添付資料などを事前に担当窓口で確認しておきましょう。
最終的な納品書類になるので、特に誤字脱字などの修正が無いように注意します。
提出・受領
申請書類の提出や受領のタイミングは、随時お客様に連絡をします。
進捗はお客様も気になる部分です。
提出後に担当部署から補正や追加資料を求められることがあります。
納品
納品書類は、表紙をつけたり製本したりします。
許可書をそのまま納品する方もいるようですが、おすすめしません。
製本したりファイルに綴じたりして、見栄えを良くすることも重要です。
私の場合は、紙ファイルに綴じて納品しています。 → カウネット 、 アスクル
許認可で更新申請がある場合、次回の案内文を入れること丁寧です。
業務を覚える方法

行政書士の業務の流れを確認しました。
では、業務はどうやって覚えるのでしょうか?
ここでは、業務の覚え方について私の経験もふまえてご紹介します。
要件や必要書類を確認する
例えば、許認可の場合は要件や必要書類を確認しなくてはいけません。
申請先の担当行政庁のホームページをまずは確認してみましょう。
書式や要項(要領)、記載例まで公開しているところもあります。
同じ申請でも行政庁によっては必要な書類が異なります。
可能であれば申請先の窓口で担当者と話をするようにしましょう。
先輩行政書士に教えてもらう
その業務を取扱っている先輩行政書士に聞いてみるのもよいでしょう。
変わった事例であれば先輩行政書士が同じような内容を経験しているケースがあります。
ただし、先輩行政書士も暇ではありません。
身構える必要はありませんが、聞きたい内容をはっきりして短い時間で簡潔に質問すれば先輩行政書士も相談にのってくれます。
単位会の研修を受講する
具体的な業務がまだ無いなら単位会の研修が有効です。
研修会では、同じような状況の行政書士であったり、専門業務とする先輩行政書士がいます。
業務を相談できる行政書士を見つけることもできます。
まとめ

これから開業する方に向けて、行政書士の業務の流れをお伝えしました。
流れの中で気をつけるポイントがあるので、参考にしてください。
業務の覚え方は、3つあります。
- 要項(要領)を確認する
- 先輩行政書士に教えてもらう
- 単位会の研修を受講する
業務の内容を知るのであれば、書籍などが役に立ちます。
興味を持ったら積極的に研修を受講して、業務を受注できるようにしていきましょう。