こんな疑問を解決します
・「合格発表の後はどうしよう?」
・「合格したので開業したいけど、何を準備したらよいかわからない」
合格発表があり、無事合格された皆様おめでとうございます。
「合格」を勝ち取り、行政書士として開業したいけど、何をどうすればよいか不安もあると思います。
この記事では、行政書士試験に合格した方に向けて、開業までに何をすればよいか解説します。
5分程度で記事を読み終えると、開業に向けてやるべきことがクリアになります。
合格後は行政書士登録をするか?しないか?
合格発表後の現時点では、「行政書士試験合格者」です。
登録しないと「行政書士」とは名乗れません。
履歴書や名刺等に記載する場合などでは注意が必要です。
では、行政書士登録する場合としない場合の違いを確認してみましょう。
行政書士登録する場合
日本行政書士会連合会の名簿に記載されて、初めて「行政書士」を名乗ることができます。
日本行政書士会連合会は略して「日行連」と言います。
日行連への登録手続きは、都道府県単位の行政書士会を窓口として登録申請します。(詳細は後述)
「行政書士登録する」 = 「日行連の名簿へ登録する」
行政書士の仕事をするには、登録して独立開業するか、行政書士事務所の補助者としてするかのどちらかになります。(厳密には、登録して使用人となることもありますが)
行政書士登録するメリットは、行政書士と名乗ることだけでなく、会報や研修なのででの情報収集や同業者との繋がりがあります。
反対にデメリットは、会費がかかることです。
しっかり仕事ができれば会費以上の金額を稼ぐことができるので、あまり心配する必要はありません。
行政書士登録しない場合
行政書士登録しないと、「行政書士」を名乗ることができません。
試験合格者のままでは独立開業ができません。
登録しない場合は、企業などで勉強した知識を活かすことになります。
開業までの流れ
それでは、行政書士登録するにはどのような流れになるのでしょうか?
登録手続きを確認してみましょう。
単位会を経由して登録手続きをする
行政書士登録の流れは次の通りです。
- 登録手続きの書類を手に入れる
- 登録書類の記入とその他必要書類を揃える
- 都道府県単位の行政書士会に申請する
- 事務所の立会いをする
- 登録完了
1.登録手続きの書類を手に入れる
登録書類は、日行連のホームページか都道府県単位の行政書士会から取得できます。
申請窓口は都道府県単位の行政書士会なので、この時点で一度連絡することをおすすめします。
必要な書類の確認、申請の予約方法(曜日や時間の指定があるか)などを確認するとよいでしょう。
2.登録書類の記入とその他必要書類を揃える
提出書類の一覧
- 申請書
- 履歴書
- 誓約書
- 住民票
- 身分証明書
- 顔写真
場合によっては、これ以外にも必要な書類があります。
取り寄せた(ダウンロードした)書類の記載例などを確認しながら、作成します。
住民票や身分証明書は、業務でもよくある添付書類です。
代理で取得する場合は?委任状で取得する場合は?など実務を想定して、手続きを確認しておきましょう。
指定の書式を使用しているか?
誤字脱字がないか?
行政書士の仕事のベースにもなる自身の登録手続きです。
補正などないように依頼された仕事のつもりでやることをおすすめします。
都道府県単位の行政書士会に申請する
事前に都道府県単位の行政書士会に連絡して、申請の予約をしましょう。
いきなり訪ねても申請書を受け付けてはもらえません。
場合によっては登録説明会の開催がされることもあります。
不安な方は、登録説明会や申請書に関する質問を問合せてみてもよいです。
事務所の立会いをする
どこで開業するかを確認するため、事務所の立会いがあります。
事務所としての機能があるかどうか?
開業する方はどんな人柄なのか?
先輩行政書士が調査員として確認に来ます。
登録完了
手続きが完了したら、登録通知を受け取ります。
提出書類の補正や不備がなければ、約2か月程度で登録が完了します。
行政書士として、名乗り業務を請け負うことが可能となります。
開業資金を準備する
行政書士試験合格後、登録までの期限はありません。
開業資金をしっかりと準備してから、登録手続きをしましょう。
行政書士事務所を開業する場合、平均して100万円程度の資金が必要となります。
私の場合は、開業資金は合計55万円でした。
自宅開業、机、パソコン、電話、FAXなどは持っていたのでこれでも安く済んだと思います。
登録費用、会費 | 37万円 |
手数料、印紙代 | 6万円 |
印鑑代 | 1万円 |
看板代 | 1万円 |
保険料 | 1万円 |
文具、ケーブル代 | 6万円 |
書籍代 | 3万円 |
登録申請の手数料などで6~8万円程度かかります。
登録が完了してからすぐに入会金(約30万円)が必要となります。
開業するための創業資金の融資制度もありますが、個人的にはおすすめしません。
返済が後々の負担になってしまうからです。
行政書士は開業に向けての設備投資が少ないので頑張って開業資金を貯めましょう。
合わせて読みたい
・初月から売上を作る!行政書士事務所の開業準備で必要なもの
事業計画をたてる
次は、事業計画です。
毎月の売上、必要経費をざっくりでもよいので計画をたてましょう。
行政書士としての収入が安定するまで、現在の仕事を継続する方もいます。
決めているメイン業務がうまく受注できれば良いですが、受注できないこともあります。
受けやすい業務はこちらでもご紹介しています。
合わせて読みたい
・独立開業したばかりの行政書士が年収1000万円稼ぐ受注しやすいおすすめ業務
事務所の準備をする
開業までの流れを確認しました。
次は、事務所の準備です。
事務所の態勢を整える
事務所名を決める
行政書士登録では、事務所名の記載が必須です。
よくある名称は、「〇〇(氏名)行政書士事務所」です。
氏名を事務所名に入れたくない場合は、自身の事務所名を考えておきましょう。
事務所名は、「行政書士」の文言を入れなくてはいけません。
立会いの準備
登録申請をすると、事務所の立会いがあります。
立会いで確認される内容は、概ね次の通りです。
- 事務所の体を成していること(事務スペースや接客スペースがある)
- 他の生活空間などと間仕切り等で区分けされている(独立性)
事務スペースは、机、イス、パソコンなど事務作業をする場所が確保されていれば大丈夫です。
接客スペースは専用でなくても、来客時にどのように対応するか応えられるようにしましょう。
独立性は、事務所が他スペースと区切られていれば問題ありません。
私の場合は、共有でしたが簡易的なパーティションで区切る程度で大丈夫でした。
必要な設備を整える
仕事をするための設備を整えましょう。
パソコン、机、イス、電話(携帯可)、FAX、文房具、見積などの書式をそろえます。
一覧にまとめた資料があるので参考にしてください。 → 開業準備リスト(PDFファイル)
合わせて読みたい
・初月から売上を作る!行政書士事務所の開業準備で必要なもの
メイン業務を決める
メイン業務の決め方は、「自分が興味を持って続けることができる業務」が重要です。
情報収集や継続した勉強が必要となるので、興味を持っていないと続けることができません。
開業してからメイン業務が変わることもありますが、開業前に自分がやりたいメイン業務を考えておきましょう。
合わせて読みたい
・独立開業したばかりの行政書士が年収1000万円稼ぐ受注しやすいおすすめ業務
開業までに勉強しておきたいこと
開業前に実務を覚えようとすることは、おすすめしません。
業務のイメージがわかないので理解しずらいからです。
開業してから実務講習があるので、講習会でしっかりと勉強しましょう。
開業前にする勉強としては、
- 経営のこと
- 営業やマーケティングのこと
- 会計のこと
- パソコン操作のこと
このあたりを勉強しておくと、開業後にスムーズに業務ができます。
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・行政書士開業までに読んでおきたいおすすめ本 9選
今から準備して同期に差をつけよう
行政書士として開業したいけど何をどうすればよいかわからない方に向けて、開業の流れと事務所準備について解説しました。
開業の流れは次の通りです。
- 登録手続きの書類を手に入れる
- 登録書類の記入とその他必要書類を揃える
- 都道府県単位の行政書士会に申請する
- 事務所の立会いをする
- 登録完了
事務所の準備として、まずは事務所名を決めてから事務所の態勢をを整える。
その後、自分がやりたいメイン業務を決めて、開業まで勉強を進めることをお伝えしました。
開業手続きは約2ヶ月です。
開業初月から売上が上がるように、しっかりと準備をしていきましょう。
合わせて読みたい
・行政書士事務所の開業までに必要なこと10選